うなぎ自体の素材の良さが決めて

うなぎのかば焼きは、さばくところから、焼きを入れて仕上げるまでの工程に、とても労力がいる料理だと言えます。それ故に、お店でのかば焼きは決してお安いものではありません。それだけの手間がかかっているからです。最近ではスーパーや通販などで、うなぎのかば焼きが手に入れやすくなってきた事から、家庭でも手軽に食べられるようになってきました。このうなぎの蒲焼きというのは、その美味しさによって多くの人を魅了します。

それは素材であるうなぎに秘密があります。うなぎには、旨味の成分であるアスパラギン酸やグルタミン酸が含まれています。これらの旨味成分を持つ厚みのある身はふっくらと柔らかく、口に入れた後の食感などによって美味しさを感じる事が出来ます。うなぎは魚に分類されますが、その身は、魚とは思えないほどの旨味と食べごたえがあります。様々な栄養を持ち、たんぱく質やビタミンが多く含まれている事からも、滋養強壮の素材として知られており、栄養と美味しさを兼ね備える、大変魅力的な食材と言えます。高齢者などは、肉などのたんぱく質が、咀嚼や飲み込みの問題で食べ辛い事もありますが、うなぎのかば焼きならば喜んで食べる人も多いです。

加熱とタレによって旨味と風味が引き立つ

旨味成分を持つうなぎは、火を入れる事で更に旨味が増します。お店などでは、備長炭を使って焼く事が多いですが、備長炭の良さは、香りの良さだけではなく、炭による遠赤外線効果が大きいです。備長炭の強い火力によって、うなぎの表面のたんぱく質が固まり、旨味成分を閉じ込めます。さらにその熱による遠赤外線効果で、うなぎがじっくりと時間をかけて焼かれ、ふっくらとした焼き上がりになります。その過程で、備長炭が香ばしさをもたらします。

また、うなぎのかば焼きには欠かせないタレにも美味しさの秘密があります。ただの甘いタレだと思ったら大間違いであり、かば焼きのタレならではの工夫がなされています。煮きった酒とみりん、砂糖と醤油だけでなく、うなぎの頭や中骨を焼いたものを漬け込みます。これによって、うなぎの成分を含んだ、かば焼きにぴったりなタレとなります。このタレは焼いたうなぎを何度もくぐらせる事で、うなぎの油がタレに染み込み、旨味も加わります。この工程を経て、老舗の鰻屋では秘伝のタレを継承していきます。これらの事から分かるように、うなぎのかば焼きの美味しさは、素材、焼き、タレの3つが合わさる事で、完成されます。